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ERP論文とベル不等式 Vol.2 [物理]

日本物理学会誌 Vol.69,No.12, 2014 小特集量子もつれ の記事を読んだので少し書いておく。
①はじめに 加藤岳生
②「ベル不等式: その物理的意義と近年の展開」筒井 泉(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所)
③「量子もつれの基礎および量子情報や物理との関係」 井元信之(大阪大学大学院基礎工学研究科)

以下は私が記事を読んで興味のあった一部を纏めたものなので、元の記事
とは違うことになっている場合があります。

ベル不等式
1964年ベルが「アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックスについて」
と題された画期的な論文を提出した。
アインシュタインらが不完全だと見なす量子力学を補完するような完全な理論は、量子
力学の予言と矛盾するという事実を提示するものだった。これにより、アインシュタイン
・ボーアの論争は波動関数の解釈を巡る哲学議論ではなく、実証可能な科学の対象である
ことが判明した。
ベルの不等式は、ベルの論文から5年後にクラウザーらによって改良されている。
ベル不等式の破れが実験によって証明されると仮定した局所性、実在性、選択自由性の
3つのうち、少なくとも1つを否定しなければならない。

ベル不等式の実験的検証は、1970年代にいくつか行われたが殆ど全てでベル不等式の
破れが観測されたが、2つの問題点があった。1つは局所性の抜け穴と呼ばれるもので
粒子間の距離が十分に大きくないために、一方の粒子のスピンの測定の方向設定や
測定結果の情報が他方の粒子の測定前に伝達される可能性が否定できず局所性の前提
条件が満たされないこと。もう一つは(検出)効率性の抜け穴と呼ばれ、測定器の検出
効率が一定の閾値以下の場合には測定の統計的な偏りのため、非検出の測定結果を加え
れば不等式が満たされる可能性を排除できないこと。
これらの問題に対処して1980年代前半にアスペが行った実験が最も良く知られている。
ベル不等式を破って量子力学の予言値に極めて近い結果で量子力学の正しさを強く印象
付けている。

ベル不等式が破れていることが何を意味しているか。
局所性が破れている場合、それはパラメータ独立性(一方の粒子の測定方向が他方の粒子
の測定値に影響を与えない)と結果独立性に分解できるが、量子力学ではパラメータ独立
性は起きない。選択自由性はその条件の破れの検証が難しい。
ベル不等式の破れは局所性の破れか、実在性を含めた両者の破れを意味することになるが、
そのどれに起因するかを知ることは次の重要な課題になる。
最近まで研究は続けられていて、進展したこともあるが、まだ課題は残ったままのようです。
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ERP論文とベル不等式 Vol.1 [物理]

日本物理学会誌 Vol.69,No.12, 2014 小特集量子もつれ の記事を読んだので少し書いておく。
①はじめに 加藤岳生
②「ベル不等式: その物理的意義と近年の展開」筒井 泉(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所)
③「量子もつれの基礎および量子情報や物理との関係」 井元信之(大阪大学大学院基礎工学研究科)

以下は私が記事を読んで興味のあった一部を纏めたものなので、元の記事
とは違うことになっている場合があります。

ERP論文は、アインシュタイン、ポドルスキー、ローゼンによる1935年
に発表された論文で量子力学の「不完全性」を主張した。
ボーアが反論の論文を提出した後、30年あまり進展しなかった。
ERP論文が注文されるようになったのは1964年ベルによって「ベル不等式」
の論文が提出された後のことであった。
ERP論文では、物理学の理論が持つべき性質として物理量の「実在性」と
物理的な影響は遠隔的なものではないとする「局所性」が要請された。
量子力学のコペンハーゲン解釈では、自然界の「非決定性」、「非局所性」、
「非実在性」が示唆されていたが、それに対してアインシュタインやシュ
レディンガーは懐疑的であった。
しかし、コペンハーゲン派の学者の間でも意見の相違があったり、アイン
シュタインも量子力学を有用なものと評価していたので、この辺りは単純
な話ではなさそうだ。
ただ、コペンハーゲン解釈では波動関数の記述は完全なものと考えているが、
アインシュタインは波動関数よりももっと精密に状態を記述することが可能
だと考えていたと言える。

ERP論文で凡例に上げたのは位置や運動量の重ね合わせ状態であった。
最近の記事でよく見るのはスピンを使った説明である。
スピン1重項状態(量子もつれ)にある2つの粒子が1つは地球、1つはア
ンドロメダ銀河のような遠くに離れた場所にあるとする。
量子力学によれば、地球にある粒子のz成分のスピンを測定すると+1か-1
になる。するとアンドロメダ銀河にある粒子のスピンは地球にある量子の
スピンが+1なら-1に、-1なら+1になる。
地球で測定した結果は、アンドロメダ銀河の粒子に一瞬に影響を与えること
はできないと考えられるのでアンドロメダ銀河の粒子のスピンは、物理的な
実在の要素だと見なすことができる。(観測によって影響を受けるものでは
なく観測する前からあるもの)
ここで地球での観測をx成分のスピン測定にしたとしても同じことが言える。
そうすると同じ理由でアンドロメダ銀河の粒子のx成分のスピンも物理的実在
の要素だと言える。ところが量子力学によれば、1個の粒子の異なるスピン
成分は互いに交換せず、(スカラー粒子でない限り)同時に確定した値を定め
ることができない。
すなわち、スピン1重項状態(量子もつれ)は、すべての物理的実在の要素に
対応するものを持つべしという考えに合致しない凡例になっており、したが
って量子力学は物理理論として不完全であるというのがERP論文の主張であっ
た。

ベル不等式については日を改めて
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私の疑問 Vol.2 [私の疑問]

2018年4月29日
【疑問 No.2】
超対称性粒子がなかなか見つからないが、見つからない場合
超弦理論は否定されてしまうのか?
(浅井祥仁先生の一般講演を聞いたときに沸き起こった疑問
なかなかその場で質問できないので残ってしまった)

【自己回答】
超対称性粒子が予想される範囲で見つからない場合、超対称性を
否定するのではなく、見つからない理由を説明する理論を考える
ため、その点で超対称性が否定されることはない。
(超対称性の対称性の破れとか)
超対称性を直接否定することが証明されない限りは、超対称性も
超弦理論もその点では否定できない。
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